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3.いたずら


「普通気づくんじゃねぇ?」
「いや、わりと気づかないかもよ?」
「大丈夫かよ、こんなことして」
「大丈夫大丈夫」
 キーンコーンカーンコーン。
 クラス中の皆が固唾を呑んで見守っている。
 ガラガラ。
 ボン…ガン…。
 みんなが完全に沈黙した。
「誰だ?黒板消しドアの隙間に挟んだやつ」
「はーい!!俺、俺!!うまくいったっしょ?先生」
「…そうだな…」
「古いけどひっかかるもんだな」
「…お前も共犯か?」
「止めなかったから共犯すよ」
「お前ら…バケツ持って廊下に立ってろ!!」
「古っ!!どっかのアニメの時代じゃないですか!!」
「お前らが古い手で来るからだ、ボケ」
「センセー、生徒には授業を受ける権利がありまーす」
「だろうな」
 先生が笑った。
「安心しろ。ホームルームの間だけだ。授業には入らん」
 そう言って先生が水がいっぱいに入ったバケツを一人につき二つ持たせた。
「そろそろホームルーム終わるが、お前ら俺が見てないと思って動くなよ。 一歩でも動いたら…」
 先生は何も言わずにただ笑った。
「ホームルーム終わったら、教室に戻っても…」
「一時間目のチャイムが鳴るまで動くな」
「え…?」
「休み時間中ずっと恥をさらしておけ」
「…ハイ」




 実はパターン2があったりとか…。




「普通気づくんじゃねぇ?」
「いや、わりと気づかないかもよ?」
「大丈夫かよ、こんなことして」
「大丈夫大丈夫」
 キーンコーンカーンコーン。
 クラス中の皆が固唾を呑んで見守っている。
(擬音のみをお楽しみください)
 ガラガラバタン!!
 ヒュッ…ガン!!ガタガタガタ!!
 パンパン。
「誰だ?ドアの隙間に黒板消しなんて古い手で俺を引っ掛けようとした馬鹿は」
 クラス中が一点を見つめる。
 一人の男子生徒が担任が蹴った黒板消しを顔面に受けて倒れている。
「そいつか…」
「ゲホッ!!ゴホッ!!…ぜ、ぜんぜい…なんで黒板消し…」
「俺をこんな手に引っ掛けようなんざ、十年早い」
「どうじでげる…?」
「何言ってんのかわかんねぇよ。お前、罰として放課後一人で教室掃除な。じゃ、ホームルーム終わり」
 ガラガラバタン!!
「…転校しようかな…」




2008年3月29日


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